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【根拠あります】映画『ET』を考察! ピーターパンから読み解く大人向けのメッセージとは?【テーマ】

1982年に公開されたスピルバーグ監督のアメリカ映画『E.T.』この映画、大人向けのメッセージがあります。

この記事の前半に、考察するために使った映画考察のテクニックを紹介し、後半に、考察していきます。テーマやメッセージだけを知りたければ、後半部分だけ読んでみてください。

分析・考察テクニック

引喩

映画『E.T.』を考察するために、引喩(アリュージョン)と呼ばれるテクニックを使いました。「隠喩って?」

隠喩とは、映画の中で、何か別の媒体を引用することで、間接的に意味を伝えたり、明確にすること。

ハリウッド白熱教室(2015, ドリュー・キャスパー+NHK「ハリウッド白熱教室」制作班, P51より一部引用)

映画の中で、映画の上映シーンを使ったり…映画の中で、文学作品を引用したり…今回の映画『E.T.』では、映画の中で絵本(何か別の媒体)を引用していました。引喩を用いてメッセージを伝えることもあります。映画分析とはこのような隠れたメッセージを自分なりに考察していくことです。

映画『E.T.』を考察

根拠:ピーターパンの絵本の存在

『E.T.』では、映画の中で『ピーターパン』の絵本を引用していました。「なぜ『ピーターパン』の絵本を映画の物語の中に組み込んだのか」

意味なく、ピーターパンを使うわけがありません。しかも大事なシーンのときに『ピーターパン』が引用されています。

ピーターパンの物語

ある日の夜、ウェンディはお父さんに「子ども部屋で寝るのは今日でおしまいだ」といわれてしまいます。このことは子どもにとって、大人への階段を上る大事な瞬間です。そんな重要な最後の夜、ウェンディはピーターパンと出会い、兄弟たちと一緒に ”ネバーランド” へ冒険の旅をすることで物語が始まっていきます。

実は、『ピーターパン』の主人公はピーターパンではなく、思春期にさしかかったウェンディです。ウェンディ―がピーターパンに出会い、冒険の旅をしたネバーランドは現実世界とは対照的に、ずっと子どもでいることができる世界ネバーランドでウェンディたちは、ピーターパンにネバーランドでの生活を提案されます

  1. ネバーランドでの生活=子供のまま=成長が止まる
  2. ネバーランドへはもう二度と行けない=大人になる=成長できる

最終的にウェンディは現実世界に戻ること(大人になること)を決意して、現実世界に戻っていきます。『ピーターパン』は、ウェンディの子どもから大人になろうとする大きな成長が描かれているのです

『ピーターパン』で読み解く『E.T.』のメッセージ

映画『E.T.』の主人公エリオットも、ピーターパの物語と同じ判断が求められています。

「E.T.の世界に行くか・行かないか」

「E.T.とずっと一緒に」

社会という大きなパワーには、E.T.とエリオットの生活は無関係で小さいモノかもしれません。しかし、子どもにとっては成長する過程において大事な場面でもあります!ピーターパンを引喩として用いることで、『子どもの時間がどれほど大切なもの』かがよりメッセージとして伝わります。

また、

成長を拒み、子どものままであり続けようとする大人への皮肉なメッセージにも感じます。

引喩というテクニックは、は映画の構造を支え、メッセージを分かりやすく伝えるためのヒントとして与える役割があります。

テーマは親の離婚?

最後にこの映画のテーマについて考えていきます。英語版のウィキペディアに、テーマについて書かれていたので参照してみたいと思います。

The concept was based on an imaginary friend Spielberg created after his parents’ divorce in 1960.

After his parents’ divorce in 1960, Spielberg filled the void with an imaginary alien companion.

つまり、

  • この映画は、スピルバーグ監督の両親が離婚した後に、スピルバーグが創った架空の友達に基づいている
  • そしてその架空のエイリアンの仲間で「離婚の穴」を埋めていた

と書いてあります(日本語訳/訳著者)。

この映画は、スピルバーグ監督の両親の離婚経験を映画に描き込み子どもの影響と成長部分(楽しいE.T.との生活ではなく、父のいない現実に生きる)をテーマにして描いているのです。

考察するのに参考した本・DVD

映画『E.T.』を考察するのに、絵本『ピーターパンとウェンディ』と、映画考察についての教科書『ハリウッド白熱教室』

を参考に記事を書きました。

【特徴】

  • だれもが知っている名作だから、安心して英語が読める・聞ける。
  • うつくしい絵と言葉。小さなお子さまのアート感覚も育つ。
  • 英語と日本語があるから、お子さま一人でも学習できる。
  • 音声は3バージョン。英語のみ。日本語のみ。英語・日本語バイリンガル。
  • 聞きたいバージョンを読者が選べる。(CD付)プレゼントや卒園・入学祝いにも人気の読み聞かせ絵本シリーズ。

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【目次】

第1回 脚本…人生をストーリーにする
第2回 ビジュアル・デザイン…映画は見た目がすべて
第3回 撮影…すべてのショットには意味がある
第4回 編集…時間と空間の魔術
第5回 音響効果… 世界は音でできている

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